(2026/03/23:新田肇)
2026年3月。ILCA8隻とインフレータブル・ボートや予備エンジンなどの寄贈のため、パラオに行ってきました。

ILCAとは、1969年にブルース・カービー、イアン・ブルース、ハンス・フォグ、3名のカナダ人によって開発された1人乗りのセーリング・ディンギーです。
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以前はLaser(レーザー)級と呼ばれていましたが、なにやら大人の事情で現在はILCA(International Laser Class Assosciation)と呼ばれています。

同じ艇体を用い異なるサイズのセールを展開したILCA7(Standard)、ILCA6(Radial)、ILCA4、と3つのクラスを設け、セーラーの体格によって最適な走りができるよう工夫されています。
1996年のアトランタ五輪からセーリング競技の1人乗りオープンクラスとして採用され、2008年の北京五輪からは男子がILCA7、女子はILCA6と2種目に別れて今に至ります。
オリンピックのセーリング競技は、種目がいろいろ変更されてきたのですが、ILCAは1人乗り種目としてこの先もずっと採用されていきそうです。

艇体もマストもセールもまったく同一のものを使うワンデザインクラスで、ヨット自体はすべて同じ。つまり腕の差だけで勝負がつくレース用の艇種ではありますが、全長4.23m、艇体重量58kgと小型軽量で乗用車の屋根に積んでの移動(カートップ)も可能。安価で保管場所にも困らないという取り扱いの容易さもあり、開発から60年近く経つ今でも初心者からトップクラスのオリンピック・セーラーまで、子供から大人まで男女を問わず広く普及しています。

というところで、2021年から始まったパラオセーリング協会(PSA)のユースプログラムも今年で5年め。これまでは子供用(6歳から9歳)のOPディンギーのみで活動してきましたが、彼らも成長し、11名はILCAへとステップアップ。4名のOPセーラーと合わせて現在15名がパラオセーリング協会(PSA)に所属し、このユースプログラムでセーリングレッスンを受けています。

そして今回、ILCAセーリングキャンプと称し3月14日から22日までの日程で集中練習を行いました。講師は今も現役セーラーの貝道盛孝さんを筆頭に、私たち(日本パラオ青少年セーリングクラブ:JPYSC)から派遣した神谷仁君(JICA隊員とし2025年12月より赴任)。追加指導員として江の島でILCAを教えている粟野薫さん。香川高等専門学校在学生でニュージーランドでOP経験者の小笠原環さん。本業はコーラルリーフセンターでサンゴの研究をしているイギリス人のTimさん。等々。
キャンプ全行程を通して基本動作を繰り返したことは当たり前ですが、艇の取り扱いや簡単な修理なども子供たちに指導し子供達も目をキラキラさせながら体験をしました。

3月19日には寄贈式典を実施させていただき、パラオ共和国副大統領、在パラオ日本大使、JICA Palau Office、パラオ共和国の各州の知事らに参加していただけました。
また、パラオセーリング協会のメンバーと今後の活動打ち合わせを行い、2026年7月の「ベラウカップ」への参加をはじめ、2028年のナウル共和国で開催の「マイクロゲーム」、2029年のクック諸島で開催の「パシフィックゲーム」への参加の打ち合わせなども行いました。

